何故?“危険運転”の受刑者が免許取り消しなしで出所❕

危険運転致傷罪で服役したのに免許はそのまま!?

危険運転致傷罪で服役した受刑者が、取り消されるはずの運転免許証を持ったまま出所していた疑いがあることがJNNの取材で明らかになりました。出所していたのは2013年から2015年の間に刑が確定し、長野刑務所、松本少年刑務所、福岡刑務所に服役していた3人です。

本来ならば、危険運転致死罪で逮捕された時点で、行政処分として運転免許の取り消しがなされなければならないのだが、何故か運転免許がそのままで出所という事になったそうです。

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危険運転致死傷罪は、飲酒運転や信号無視など悪質・危険な死傷事故に適用され、最大20年の懲役刑を科すことができます。有罪となれば、運転免許も取り消されます。運転免許も取り消しとなり、免許の再取得ができない欠格期間は5年から8年にのぼります。

何故、こんな不祥事が起きたのか?

交通事故の捜査を行う担当と免許の取り消しを行う担当の間で、連絡ミスが生まれた可能性もあると指摘する専門家もいます。

「大問題だと思います。行政処分(=運転免許の取り消し)と刑事処分(=捜査)は全く別なのです。(捜査では)被疑事実の立証することだけ考えて捜査しているわけで、その人の免許を、どうのっていうのは、おそらく交通事故捜査をやっている方はほとんど考えていないと思う」(元千葉県警交通捜査官 熊谷宗徳氏)

上の記述から、思われるのは事故の刑事捜査官は、事件の立件を目的としている為に、免許証の取り消しは別口だという事になります。

「危険運転致死罪」の成立は・・・

危険運転致死傷罪は、1999年に東名高速で飲酒運転のトラックにより幼い姉妹が死亡した事故をきっかけに作られたものです。

危険運転致死傷罪は一定の危険な状態で自動車を走行・運転し人を死傷させる罪である。2001年(平成13年)の刑法改正により刑法第208条の2に新設された。その後、同規定は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年11月27日法律第86号)により、同法律に独立して規定されることとなった。

一定の危険な状態とは、

1. アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
2. 進行を制御することが困難な高速度で、又は進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
3. 人又は車の通行を妨害する目的で、通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
4. 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為(以上、原文まま)

が、該当します。

今回は、この様な事故を起こし、危険運転致死罪で服役していた受刑者(自動車を運転し相手を死傷させた者)が、刑期を終え出所した際に運転免許を所持していたという事です。

ここで疑問になる欠格期間とは・・

「転免許も取り消しとなり、免許の再取得ができない欠格期間は5年から8年にのぼります。」と、初めの方に書きましたが、この欠格期間とはどの時点からいうのでしょうか?

まず、今回の欠格期間とはその間は免許の習得は出来ませんという事なのですが、刑期が上記の5~8年以上の時には、出所した時点で習得可能と思われるかもしれません。

しかし、この欠格期間とはその刑期、または処罰が終了した時点から始まります。つまり、この受刑者が出所した時点ではなく、刑期が終了した時点を言います。この刑期とは、受刑者が仮釈放を貰ったとしたら、出所した時点ではなく、仮釈放した残りの刑期が終わった時点から、欠格期間が始まる訳です。

それが、今回は免許の取り消しが無く、出所後から運転しているという事になります。

これは、かなり遺憾な事です。

刑務所に長くいると免許の期限が切れてるのでは?

残念ながら、これはややこしい話になりますが、刑務所では出所後の厚生の一環として、運転免許の更新が出来る制度が存在します。一般社会では、免許の期限の切れる誕生月が基準ですが、刑務所ではこの期間が若干異なります。運転免許は、うっかり執行という言葉があります。忘れてて気がついたら期限が過ぎていたという物ですが、講習を余計に受けることで、更新が可能です。刑務所の中ではこの期間の最長の中で、免許の更新をしています。

今回の件は、警察だけの落ち度ではなく刑務所の管轄内での確認作業のミスもあるという事になります。何故ならば、交通刑務所では、危険運転致死についても知識があり、管理しているからです。

Twitterなどの書き込みには・・

「危険運転致死」の刑期に疑問を呈している発言が散見しています。

切っ掛けは、2018年6月27日(水)に静岡地裁で行われた判決で、求刑7年を言い渡されたことに拠ります。

概略は、酔っ払い運転でひき逃げをし、飲酒を誤魔化す為に更に自宅で追い酒をした、という物です。「飲酒事故しても事故後に飲めば誤魔化せると信じた車カスに懲役7年の求刑」という記事に、刑期が短い、ひき逃げしても死刑じゃないの、と言った物が見られます。

ですが、これは間違いです。

死亡事故で「殺人罪」が適用されるケースもある。

中には、勘違いしている人がいる様で、車の事故ならば死刑にならないんじゃ車で引けばいじゃん、という意見も散見しました。ですが、殺人罪が適用されることもあります。これは、至極当然の事です。そして、この殺人罪が適用されると

  • 死刑
  • 無期懲役
  • 懲役5年以上

これらの刑罰となっており、当然最も重い罪です。

まとめ

今回の不祥事は、とてもあり得ないことでしかありません。警察、検事、裁判所、刑務所と数か所での確認作業が行われていなければならない筈ですが、そのままになってしまったという事です。

恐らく、大元の原因は警察での処理がすべて合法に進んでいるという思い込みがあったからではないでしょうか?

法治国家としては、ずさんなミスとしか言いようがないので、今後の対策に期待するばかりです。

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